2025/06/06 更新

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カトウ アユミ
加藤 亜結美
Kato Ayumi
所属
医学部 医学科 放射線診断学 助教
職名
助教
外部リンク

研究分野

  • ライフサイエンス / 放射線科学

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 初発膠芽腫のベバシズマブ治療効果に関与する遺伝子と画像評価法の確立

    研究課題/領域番号:20K08135  2020年4月 - 2023年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    神部 敦司, 藤井 進也, 黒崎 雅道, 加藤 亜結美

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    配分額:2730000円 ( 直接経費:2100000円 、 間接経費:630000円 )

    今年度は、膠芽腫7例、退形成性星細胞腫1例を含む計13例の研究同意書のサインを取得した。悪性神経膠腫8例の後療法の内訳として、テモゾロミド(TMZ)単独1例、TMZ+ベバシズマブ(BEV)7例とBEV併用した症例に偏りが見られた。
    昨年度より引き続いて手術検体を使用して、免疫組織染色法(IHC)にてCD-34,IDH-1,MGMT,VEGFRなど評価した。さらに今年度より、VEGFを惹起し、PGE2の律速酵素でもあるCyclooxygenase-2 (COX-2)も追加した。画像所見は引き続きCESTとeASLがBEV治療反応性に関連するかを、Vincentを使用して術前画像のAPT値と%SI(rCBF)で検討した。
    昨年度の5例、今年度の7例に加えて、過去に画像評価を施行できた13例を加えた初発膠芽腫25例の中で、BEV治療開始後無増悪生存期間(PFS)が12ヶ月の症例をBEV-responder群(16例)、12ヶ月未満の症例をBEV-nonresponder群(9例)として比較検討した。IHCにおいて、両群間でMIB-1 index, CD-34, IDH-1, MGMT, VEGFRなどの発現に有意差はなかった。COX-2は有意差(p=0.057)を僅かに認めなかったが、BEV-responder群で高発現となる傾向があった。画像所見では、APT値に両群間で有意差を認めなかった。%SI値は、BEV-responder群が349.9%であったのに対し、BEV-nonresponder群は212.4%と有意に低かった。
    初発膠芽腫において、術前画像のeASLで高灌流となる症例はBEV反応性が得られやすい可能性が示唆された。また手術検体によるIHCで、COX-2が高発現の症例も同様にBEV反応性が得られやすい傾向があり、初発膠芽腫のBEV治療選択の指標となると思われる。

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